<参院選近畿地区立候補予定者アンケート調査プロジェクト>
三重、京都、大阪、滋賀、和歌山、兵庫の選挙区の立候補予定者を対象に、アンケートを送付しました。
下記のアンケート内容をご確認の上、回答をご覧ください。
[送付したもの]
1.送り状
2.アンケート調査用紙
3.参考資料
第20回参議院議員選挙のためのアンケート調査へのご協力のお願い
拝啓 時下ますますご清福のこととお喜び申し上げます。突然の送付で失礼致します。
■当会について
私たち「血縁と婚姻を越えた関係に関する政策提言研究会」は、いわゆる性的少数者(※)等、血縁と婚姻を越えた関係性を生きる人々の、社会的認知と生活上の権利保障に関する政策についての研究会です。詳しくは当会ホームページ(http://www.geocities.jp/seisakukenjp/)にてご確認下さい。
※性的少数者=レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス等
■アンケートの目的
参議院議員選挙立候補予定者にアンケートを実施し、性的少数者の人権政策に関する皆様のお考えを知り、公表することで、こうした人々の生きやすい社会の実現に向けての一助にしたいと考えております。
■アンケートの対象
このアンケートは、近畿圏 2府4県に於ける選挙区別の立候補者の皆様に送付させていただきました。
■アンケートの公表
ご返送いただいた回答は、当会ホームページ(http://www.geocities.jp/seisakukenjp/)、並びに、大阪府庁記者クラブにて大手マスコミに対しても公開する予定ですので、何卒ご了承下さい。ご回答のない場合も、その旨を公開いたします。
■アンケートの回答方法
同封の返信用封筒でご郵送くださるか、メール(saninsen0711@yahoo.co.jp)にてご回答下さい。
公示日までにはご回答を公表したいので、2004年6月11日(金)(必着)でお願いいたします。
【送付先】
530-0015 大阪市北区中崎西1-1-7 QWRC気付
血縁と婚姻を越えた関係に関する政策提言研究会
参院選アンケートプロジェクトチーム 代表 □□□□ □□□□
メールアドレス saninsen0711@yahoo.co.jp
お忙しい中大変恐縮ですが、私どもの意をお汲みくださり、真摯なご意見をお聞かせいただければ幸いです。
敬 具
第20回参議院議員選挙のためのアンケート調査【回答用紙】
当アンケートは全部で6問、回答用紙3枚分です。
■1 人権問題としての認識の有無について
(問)同性愛者、性同一性障害を抱える人たち等の「性的少数者」は、社会生活の中で、様々な差別や偏見、また実生活上の不都合に苦しんでいます(添付資料参照)。この「性的少数者」の問題を、どのように認識していますか?
(選択肢)候補者の意見に最も近い項目ひとつに○を付けてください
□ 1 重要な人権問題であり、政治の場でも早急に取り組みが必要である
□ 2 人権問題であるとは認識しているが、政治的な取り組みが必要かどうかは分からない
□ 3 現時点では判断できないので、今後、検討を行いたい
□ 4 人権問題とは認識していないが、何らかの取り組みは必要である
□ 5 人権問題とは認識しておらず、政治的な取り組みは不要である
■2 具体的な施策について
(問)「性的少数者」の問題について、具体的な施策を検討されていますか?
(選択肢A)候補者の意見に最も近い項目ひとつに○を付けてください
□ 1 既に具体的な施策を検討している
□ 2 今後具体的な施策を検討するつもりで、当事者を含めた打合せを行う
□ 3 今後具体的な施策を検討するつもりであるが、誰に聞いたらよいか分からない
□ 4 現時点では判断できないので、今後、検討を行いたい
□ 5 政治的な取り組みは不要である
(選択肢B)選択肢Aにおいて1~4の回答であった方のみ
検討内容として当てはまる項目に○を付けてください。(複数回答可)
□ 性的少数者に対する差別を禁止する立法を推進する
□ 人権問題として啓発活動を行う
□ 教育の場で性の多様性を教える
□ 同性間の性交渉によるHIV感染者への差別に対する啓発活動を行う
□ 性的少数者の団体・イベント等を支援する
□ その他(自由記述 )
■3 性的少数者間のパートナーシップの法的保障について
(問)海外では、同性間等の親密な関係を、同性婚やDP法(ドメスティック・パートナーシップ法)といった形式で法的に保障する流れが広がっています(※)。日本では現在、性的少数者間のパートナーシップには何の法的保障もありません。この性的少数者間のパートナーシップへの保障について、ご意見をお聞かせ下さい。なお、ご存知とは思いますが、アメリカの大統領選挙では同性婚の問題が大きな争点になりました。(添付資料参照)
※男女間の結婚と完全に同等の同性婚を認めている国:オランダ、ベルギー、カナダ、台湾
DP法等による登録制の国:フランス、ドイツ、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、アメリカ(一部の州)
(選択肢A)候補者の意見に最も近い項目ひとつに○を付けてください
□ 1 同性婚やDP法による法的保障を推進したい
□ 2 現行の戸籍制度に抵触しない範囲で、検討を行いたい
□ 3 現時点では判断できないので、今後、検討を行いたい
□ 4 日本では社会的な認知が進んでいないので、検討を行うべき時期ではない
□ 5 結婚は男女間のものであり、それ以外の同性婚等を認めることはできない
(選択肢B)選択肢Aにおいて1~3の回答であった方のみ
性的少数者間のパートナーシップに必要と思われる保障について、当てはまる項目に○を
付けてください。(複数回答可)
□ 公営住宅への入居を可能にする
□ 遺産相続を可能にする
□ 医療上の看護権、面接権、同意権を認める
□ 子どもを持つ権利、子どもを育てる権利を認める
□ その他(自由記述 )
■4 公文書からの性別記載欄の削除について
(問)現在、パスポート、健康保険証、住民票の写し、印鑑登録証明書、投票所入場券 等、様々な公文書に性別を記載する欄があります。この性別記載欄があるために、トランスジェンダーやインターセックスの人たちはじめ、多くの人たちが、様々な差別や偏見、また実生活上の不都合にさらされています(添付資料参照)。この問題についてのご意見をお聞かせ下さい。
(選択肢)候補者の意見に最も近い項目ひとつに○を付けてください
□ 1 不必要な性別記載欄は削除すべきである
□ 2 何らかの対応が必要であると思うが、具体的には分からない
□ 3 現時点では判断できないので、今後、検討を行いたい
□ 4 各自治体の動きを見ながら、判断していきたい
□ 5 政治的な取り組みは不要である
■5 学校の中での取り扱いについて
(問)近年、いじめやひきこもりが社会問題になっていますが、その中には性的少数者であることが引き金になっているケースが少なくありません。社会の偏見や差別が、学校の中でより先鋭化して現れることはご存知の通りです。性的少数者である私たちの友人の中にも、学校生活の中で孤独に押しつぶされ、自傷行為や自殺未遂をおこした経験のある人がいます。私たちは、学校の中で性の多様性について教えることは緊急の課題であると考えています。この問題についてのご意見をお聞かせ下さい。
(選択肢)候補者の意見に最も近い項目ひとつに○を付けてください
□ 1 授業の中で、積極的に性の多様性について教える必要がある
□ 2 授業の中での取り扱いは困難だが、性の多様性については教える必要がある
□ 3 現時点では判断できないので、今後、検討を行いたい
□ 4 高校生以上に限定する等、何らかの制約が必要である
□ 5 学校の中では、同性愛等について教えるべきではない
■6 ヘイトクライム(憎悪犯罪)の防止について
(問)性的少数者が目に見える存在になるに従って、性的少数者に対する深刻なヘイトクライム(憎悪犯罪)の危険が増してきています。日本でも数年前に都内で、ゲイの男性が少年を含む強盗集団に襲われ、惨殺されるという事件が起きています。犯罪統計の中から性的少数者に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)の数を抽出することはできませんが、私たちの友人の中でも何人かの被害者がいます。私たちは、性的少数者に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)を把握し、その予防策、被害者の救済策を検討する必要があると考えています。この問題についてのご意見をお聞かせ下さい。
(選択肢)候補者の意見に最も近い項目ひとつに○を付けてください
□ 1 性的少数者に対するヘイトクライムがあることを認識しており、積極的な対応が必要である
□ 2 性的少数者に対するヘイトクライムがあることは認識しているが、具体的な対応は分からない
□ 3 現時点では判断できないので、今後、検討を行いたい
□ 4 犯罪への対応は必要であるが、性的少数者へのヘイトクライムを特別視する必要はない
□ 5 政治的な取り組みは不要である
■自由記載欄
今回のアンケートについてのご意見やご感想、また、選挙民である性的少数者及びその支援者へ向けてアピールしたいこと等がありましたら、記載して下さい。
( )
アンケートは以上です。ご協力ありがとうございました。
第20回参議院議員選挙のためのアンケート調査【参考資料】
今回のアンケートにご回答いただくために必要と思われる情報を簡単にまとめましたので、是非ご一読下さい。
■性的少数者とは
性的少数者とは、一般的には以下のような人たちのことを指します。
・同性愛者(レズビアン、ゲイ)
・両性愛者(バイセクシュアル)
・トランスジェンダー(性同一性障害者(GID)、性別越境者 等)
・インターセックス(半陰陽) 等
身体の性、こころの性、性的指向・・・それぞれの組合せによって、一言で性的少数者といっても、実際は非常に多様な人たちがいて、抱える困難も様々です。
■今回のアメリカの大統領選では、同性婚が重要な争点のひとつになっています
朝日新聞 2004年3月10日朝刊紙面より抜粋
【同性婚 争点に急浮上】
マサチューセッツの州都ボストン。郊外に事務所を構え、家族のきずななど伝統的価値を唱道する保守派団体「マサチューセッツ家族協会」を率いるロン・クルーズ氏(56)は、浮かない日々を送っている。このところ国内で、同性の結婚をめぐるニュースが一段と騒々しいからだ。
2月4日 マサチューセッツ州最高裁が、「同性結婚」を認知する法的枠組みを新たにつくるよう州議会に再命令
2月12日 サンフランシスコ市が独自の判断で同性カップルへの結婚証明書発行を開始
2月24日 こうした動きにブッシュ大統領が、同性結婚を禁じるための米憲法修正を提案……
証明書の発行はニューヨーク州やオレゴン州などの他の自治体にも飛び火した。ブッシュ氏の支持基盤である宗教保守派団体の一つ「キリスト者同盟」幹部らは、「もはや無政府状態」と過激な表現で危機感をあおる。(中略)実のところ、同性結婚に対するブッシュ、ケリー両氏の公式見解に、大きな違いがあるわけではない。双方とも、それを「結婚」と定義するのには反対だ。一方で、どちらも、遺産相続など結婚と同様の法的権利の付与は否定していない。ただケリー氏は、各州の独自性をより尊重している。国が介入して憲法や連邦法で同性結婚を禁じることには、反対の立場を取っている。(中略)同性結婚は昨年6月、隣国のカナダ政府が法的に認める方針を打ち出したことなどから、米でも大統領選の争点として急浮上してきた。(省略)
■同性愛者、両性愛者 等は、具体的には以下のような問題を抱えています
○生計を一にする親密な関係にある人(パートナー等)が亡くなった場合に、遺産や共有財産の相続権がない。異性間のカップルの場合、法律上の配偶者はもちろんのこと、内縁の場合もその関係を考慮される。しかし、親密な関係にある人が同性である場合、遺言がある場合でも遺留分は肉親の取り分となる。
○親密な関係にある人が病気や怪我で入院した場合に、看護・面接権や医療上の同意権がない。
○公営住宅法第23条の入居者資格に関する要件により、公営住宅に同性カップル等が一緒に入居することができない。民間の賃貸住宅でも、男性同士、女性同士の世帯では入居を断られるケースが非常に多い。
○社会保障・税制等における不利益がある。扶養控除等、異性間のカップルが受けられる諸利益を、必要のある場合でも受益することができない。
○その他、日常生活において不都合が生ずる。金融機関との取り引きや、生命保険の受取人指定など、親密な関係にある人が同性である場合に、それが認められないケースが日常的に発生している。
■戸籍上の性別と実生活上の性別表現が一致しない人たち(トランスジェンダー、インターセックス 等)は、具体的には以下のような問題を抱えています
○健康保険証に性別記載欄があるために、病院に行きにくい。また、記載された性別に適合した治療でなければ保険適用されないことがある。
○投票所入場券に性別記載欄があるために、選挙に行きにくい。
○住民票や印鑑登録証明書に性別記載欄があるために、就職の際にトランスジェンダーであることが問題視される。
○パスポートに性別記載欄があるために、海外旅行の際のパスポートチェックに時間がかかる。
○外見上で一般的な女性像・男性像にあてはまらない場合に、ヘイトクライム(憎悪犯罪)の標的になりやすい
■日本でも、「性的指向による差別」は人権問題であるという認識が広まっています
法務省人権擁護局は2003年12月4~10日の人権週間の「強調事項」の項目として「性的指向による差別」を明記。そこでは「同性愛者など少数派の性的指向の人に対する偏見は根強く社会生活の様々な場面で人権に関する問題が発生しています」「性的指向による差別は不当であるという認識を持ち偏見を解消することが求められます」「法務省人権擁護機関としても性的指向を理由とする差別をなくすため各種啓発活動を行っていきます」と述べられています。
法務省のホームページ http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken03-01.html
■既に、性的少数者のパワーは無視できないものです
2001-2003年に開催された「東京レズビアン&ゲイパレード」には毎回3000人近くが参加しています。同じく性的少数者の祭典である「レインボーマーチ札幌」では、2003年のマーチ終了後の集会で札幌市長が応援のスピーチを行いました。人口の5-10%は同性愛者であるという有力な学説もあり、国内には数百万人の同性愛者が住むといわれます。日本にもレズビアン&ゲイ・パワーは確実に存在します。
■当会のアンケートと同様の趣旨のアンケートが、全国で実施されています
市民政治文化フォーラム・アクエリアス
http://members.aol.com/rainbowfrontier/
東京メトロポリタンゲイフォーラム
http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/5937/index.html
北海道セクシュアルマイノリティ協会・札幌ミーティング
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/hsasm/index.htm